【展覧会レポート】外伝:MOA美術館に夢中!(博物館学編)

先日、 熱海のMOA美術館に行ってまいりました。

 

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(写真は、ヘンリー・ムーアの作品を見て、一緒に座りたくなっちゃった人のポーズ)

 

 

今期の展覧会はなんと!全館写真撮影okという🤳太っ腹ぶり!!

改修されてキレイになったMOA美術館を、作品のみならずしつらえも堪能してきました(^ω^)

 

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MOA美術館といえば、この長距離エレベーター。7つのエレベーターにのって美術館へ向かいます。

7つだよ!エレベーター。多いよ!!笑

なんか良い音楽流れてるし、光の演出に包み込まれるし、さすが宗教法人。登りきった先は天に召されそうなので、私は勝手に「天国への階段」と呼んでいます笑。

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途中で、万華鏡をモチーフにしたプロジェクションマッピングの演出が見れました。

MOA美術館の職員さんって、お上品な印象の方が多いし、やっぱりここが天国に近い場所なのかな…

 

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職業柄、いつも気になるのは展示室前の注意書き。

展示室って、結構ルールが多いので、どこまで表記してどこまで来館者に注意するのか、迷います。

 

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この注意書きで、私が一番感動したのは、

マグネット式で企画展ごとに注意書きの内容が変えられるという点!!!

素晴らしい、アイデア賞…自分のところのミュージアムでも真似したい。

一度作ったら継続的に使えるのも良い。

 

 

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展示ケースのガラスは、低反射高透ガラスを使用しています。

写り込まない。透明度が高くて作品がクリアに見える。

どのくらい透明度が高いかって、ガラスが何処にあるか分からなくて頭をぶつける程に、ガラスの存在感がない。

私も最初の作品で、早速ガラスに顔をぶつけました…

普段、同業者的な視点からも、ガラス汚すなんて他人の仕事を増やすようなヘマはしないように気をつけてたんだけど…恐れ入りました低反射高透ガラス。

 

低反射高透ガラスのプレゼンをもう少し続けます(・∀・)

壁付き展示ケースって、ガラスが大きくて、大概何枚か継いであるんだけど、その切り口って緑っぽいガラスの色が見えるものでしょう??

MOA美術館の低反射高透ガラスは、ガラスの切り口までクリアー。

あたしゃビックリしちゃったよ!!

写真撮り忘れたけど。

 

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ちなみに、比較として、こちらは従来の普通のガラスを使った独立ケース。

私の姿も、周りの展示ケースの灯りも、よく写り込んでいるのが分かると思います。これが普通なんだけどね。

(ちなみに、この写真は、「光琳の団扇を持ってるつもり」のポーズ。描かれたおじいさんと同様に、舌を出して👅います)

 

 

 

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MOA美術館では、写り込みに大変気を配っているようです。

壁付き展示ケースの向かいは、黒い漆喰の壁。

同じ展示室内で、向かいにも壁付き展示ケースがあると相互に写り込んでしまうため、壁を置いています…!

もし壁がなければ、開いた空間に独立ケースを持ってきて展示品を増やすこともできるけど、この写り込みへの過大な配慮。凄すぎます。

私は、写り込みを気にしなさすぎてお客様からクレームを受けたことがある三流学芸員なのでorz、学ぶ事多くあります。

 

ちなみに、この漆喰の黒壁。触って良いそうです。

いつまでも触っていられる肌触りの良さ。湿気た時は吸湿、乾いた時は放湿、漆喰の特性が最大限に活かされてます。

 

他にも、展示室入口エントランスに使われてる瓦が、奈良東大寺の瓦と同じ職人さんの手によるもので、一枚一枚の色味の違いが最高だったり

 

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杉本博司さんの紅白梅図屏風が展示してあった所には、奈良當麻寺の古材が使われているとの事。

日本刀フリークとしては、「當麻寺って、大和五派の当麻だよね…!!」とか胸熱くなってました。

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展示だけでなく、なんだかいろいろ楽しかったMOA美術館!熱海観光!

金目鯛は煮付けではなく塩焼きでいただいてきました!!

 

 

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琳派展は、国立レベルの大規模な展覧会だと、人が多すぎてまともに作品が見れな事がしばしば。

こういう所有館がコレクションを見せてくれる展覧会でぽちぽち見て、目を肥やして行くのが良いなぁと、最近思っています。

 

琳派、いいよね。大好き。

 

 

それから、機会があれば行きたいなぁと思うのは、国立西洋美術館ミケランジェロ

私はシゾーカ県民だから、県美に行けばいつでもロダン館が見れるので、ロダンは結構身近に感じているんですよ。

昨年、東博で見た空海展で、「なんだこれは!ロダンのスケール感に似てる!!!迫力があってかっこいいぞ!!!」と思った頃から、なんとなく派生でミケランジェロも気になっておりました。

あと、知り合いの画家さんによる猛烈なミケランジェロ推しトークを聞いた事も、要因の一つかな?笑

 

あぁ、あと、MOA美術館の琳派を見ながら「去年、結局愛知県立美術館の長沢蘆雪は見損ねたんだよなぁ」ってボヤいたんだけど、どの作品がきっかけでそう思ったのか忘れたなぁ。

 

これから夏本番。それぞれの施設でイチオシの展覧会が観れる時期です!

アンテナ高くして、遠征の予定組んで、ミュージアム巡りをしたいです(^ω^)